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インタラクティブノベル(R) オカルト館の秘密

 つぎの授業は物理、これも眠かったがなんとか1時間がすぎ、放課後となった。
「きょうはクラブもなし、マンガでも買って帰るか」
 教室を出かかると、クラスメイトの武田久が近寄ってきた。
「おい、安藤、うまい話があるぜ」
「?」
「××町のお屋敷街は知ってるだろ」
「ああ」
 ぼくたちは歩きながら話していた。
「その一角に空き家の西洋館があるのは知ってるかい」
「一度だけ前を通ったことがある」
「最近あそこに地縛霊があらわれるらしいんだ」
 武田からオカルトの話が出るとは意外だった。ぼくはかなり興味があるが、やつは信じてないはずだ。
「地縛霊って、特定の建物や場所につとりつく霊だよな」とぼく。
「うん、ポルターガイスト現象も起きてるらしい。近所の人がいろいろ不思議な音や光を見てる。おれは眉唾だと思うけど、おまえそういう話を信じるんなら、得意のカメラで撮って雑誌に売りこんだら? いい金になるぞ」
 週刊写真誌『ピント』や『チューズデー』が、トクダネ写真を高い値段で“買う”というのは、いまやだれでも知っている。よし、武田の話にのってみよう。うまくすれば、バイク・ステレオ・パソコンなどがまとめて買えるかもしれない。

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